MYスタイルを作る最愛アイテムについて聞きました!
気になるあの人の
“MYスタンダード”
Vol.17 三尋木奈保
おしゃれにスタイルがあり、自分に似合うものを知っているファッションのプロたちに、“マイスタンダード”について取材する連載。今月はファッションエディターの三尋木奈保さんにお話を伺いました。

三尋木奈保さん/エディター
みひろぎなほ●大学卒業後、3年間のOL生活を経てフリーのファッションエディターに転身。雑誌やウェブメディアをはじめ、アパレルブランドとの商品開発にも数多く携わる。リアルで地に足のついたおしゃれセンスと、ファッションと装う気持ちにフォーカスした視点に支持が集まる。自身のおしゃれルールを集約した2冊の著書「マイ ベーシック ノート」(小学館)は、おしゃれ迷子たちのバイブル的存在として支持されている。

Vol.17
三尋木奈保さん (エディター)
「子どもの頃から〝ハマトラ″を間近で見て育った私のおしゃれのベースはトラッド。大学生の頃はバブルの名残の華やかなコンサバ、OL時代にはきちんと系のコンサバスタイルを経験してきました。今の仕事についてからの30代は、コンサバファッション界にもベーシックブームが押し寄せ、「白シャツとチノパンツをどうこなれさせるか」をずっと考えてきたように思います。その後、40代では「きれいめベーシックに何かプラスしないと、シンプルがただの地味になる」と感じ、甘さや華やかな柔らかさを足すことを実践。でも50代を目前にした途端、「フェミニンな服を着ていると甘いおばさまになる」という罠が待っていて(笑)。身体や中身がリアルにアラフィフに近づくと、甘さがほっこり見えたり、切れ味がなくなってぼんやりした印象になってしまうと感じ、年齢にふさわしい迫力や辛さを取り入れたいと考えるようになりました。今では、初体験のメンズライクなものや少しクールなモード感などを意識するように。年代ごとに変わる見た目と、自分の感じる心地よさのチューニングは常にやっていく作業ですが、その軸にあるのはスタンダード。やっぱり帰るところはベーシックでした」
NAHO’s
STANDARD
01
Not カジュアルTシャツ
なめらかで目がつんだ〝きれいめ″一択
「猛暑続きの夏にTシャツはマスト。洗いざらしのコットンTシャツが似合わない私は、スムース素材のカットソー感覚で着られるTシャツを何枚か揃えています。こだわりは、衿の始末がリブではなくカットソーのようにフラットであること。襟ぐりは詰まり気味で、肩はセットイン。二の腕が隠れる袖丈で、身幅には適度なゆとりが欲しいですね。1枚で着るからこそ細部にこだわっています。真夏はリネンなどのマキシ丈スカートに合わせるのがマイ定番です」


ソフトな風合いと上品な光沢のある超長綿を贅沢に用いたきれい見えTシャツ。洗濯を重ねてもシワや毛羽立ちが起こりにくい加工に、UVカット加工もプラス。程よく詰まった襟ぐりや、二の腕が隠れるやや長めの袖丈も三尋木さん好み。目指す着こなしに合わせて、3サイズから選べる。
SLOANEコットンTシャツ ¥9,680
NAHO’s
STANDARD
02
ドラマティックスカート
華やかさが盛れるきれいめTシャツの相棒
「コットンやリネンのティアードで、生地をたっぷり贅沢に使っているものが好きです。夏のペタンコサンダルとの相性も良く、スカートにボリュームが出ても大げさにならず、甘さが抑えられるところも気に入っています。色はやっぱりベーシックカラーがメインですが、淡いラベンダーやピンク、チェックなど、何枚でも欲しくなります」


動きに合わせて揺れる、軽やかでボリューミーなコットンスカート。濃色に白の小花柄を散りばめた春夏の新作は、シンプルコーデを一瞬にして着映えさせる存在感がうれしい。裾にベースカラーのラインをさりげなく入れることで、ロング丈にメリハリが生まれておしゃれ感もアップ。
MARIHA 草原の虹のスカート Baby Daisies ¥39,600
NAHO’s
STANDARD
03
フェミニンブラウス
1.2コーデに欠かせないひと匙の甘さを
「トップスとボトムでおしゃれが完成するこれからの季節。パンツコーデに欠かせないのが、ほんのりとした甘さのあるブラウスです。バルーンスリーブやギャザー入り、ボウタイつき、透け感素材など、今期は選択肢もいろいろ。以前はフレアスカートに合わせていましたが、今はタック入りのワイドパンツで。上下で甘さと辛さのバランスを取れることが、このブラウスを着る安心の着地点なのかもしれません」


程よく立ち上がったアコーディオンカラーと、衿から身頃のたっぷりギャザーがチャーミングなコットンブラウス。ふんわりシルエットで着てもよし、取り外し可能な共布ベルトを巻いて着用もできる汎用性が着こなしの幅を広げてくれる。Vネックの胸もとはリボンで結ぶ仕様に。
MERLETTE Shore ¥64,900
NAHO’s
STANDARD
04
ワイドタックパンツ
体型カバーと辛口の迫力の演出に
「30代の頃のパンツと言えば、スティックパンツ一辺倒でした。でも今は断然、タック入りのワイドパンツ。日々助けられています(笑)。ウエスト位置が高く、タックが入っているのでおなか回りのカバーになるし、動きやすくて辛口の迫力が出るところも気に入っています。色はグレーや黒、ベージュなど濃いめのベーシックカラーに加えて、春夏は白やリネンのベージュでシーズンのムードを楽しむつもりです」


吸水速乾と接触冷感、紫外線カットの優秀機能付きのサラッとドライな肌触りが心地よい、真夏も快適に過ごせるワイドパンツ。やや高めのウエストから脚のラインを拾わずにストンと落ちるワイドシルエットが、カジュアルにもきれいめにも振れる美しいIラインシルエットを描く。
suadeo 涼感タック入りワイドパンツ¥19,800
NAHO’s
STANDARD
05
レギュラーカラーシャツ
今の気分はシアーな素材とゆとりのあるサイズ感
「ずっと着てきたアイテムだけに、その時々の気分を大切にしたいアイテムです。いまは衿が小さめで、柔らかくて薄手の素材をメンズライクなパンツにインして着たいですね。パリッとプレスの利いたコットンシャツも好きですが、愛用中のタックパンツと組み合わせるとなかなかムードが出せなくて、まじめなおじさん風になってしまうんです(笑)。柔らかなシャツとハリのあるパンツ、素材のメリハリも意識しています」


ハンサムなスタンダードシャツを、ほのかな透け感と上品カラーで今年らしく。程よいシアー感は取り入れやすく、ヘルシーな女らしさを醸し出してくれる。ゆったりとしたサイズ感は、ボトムインしてもタンクトップのはおりものとしても大活躍。
suadeo ほんのりシアーシャツ ¥18,700
NAHO’s
STANDARD
06
薄軽ブルゾン
短丈&きれいめをカーディガン代わりに
「このタイプのブルゾンは、私にとってカーディガン代わり。脱ぎ着しやすくてサッと羽織れるところと、カーディガンにないきちんと感が気に入っています。ジップアップのブルゾンとはいえスポーティ感は抑えめで、薄手&シアー素材を使ったブラウス感覚の見た目が理想。Tシャツとちょっと甘めなスカートコーデのつなぎ役にももってこいなんです」


ミリタリーブルゾンの定番、MA-1をベースに、裾や袖にギャザーやタックをたっぷりあしらうことで、立体的なフォルムとモード感が手に入る。ドライタッチで薄軽なリサイクルナイロン素材は、軽量でシワになりにくくホームケアも可能。色違いにネイビーも。
TICCA ナイロンショートMA-1 ¥42,900
NAHO’s
STANDARD
07
厚底スニーカー
スニーカーでご機嫌&自分らしくいられるスタイルを確立
「コロナ渦を経て、コンサバ派にもスニーカーブームが到来。〝きれいめコーデには、ボリュームのあるハイテクスニーカーが黄金バランス″という記事を作り(笑)、私も初めて「D.A.T.E.」の厚底でスニーカーデビューしました。以来、きれいめのはずし役に加え、自分らしく落ち着けるスタイルにも欠かせなくなりました。今ではワイドパンツの足もとと言えばほぼスニーカー。パンツの裾で半分くらい隠れるところも落ち着けるポイントですね」


三尋木さんも愛用する「ピエール アルディ」。立体感のあるソールとボリューミーフォルムにラグジュアリーなしゃれ感が備わった代表モデルは、ボトムを選ばず旬の足もとが即、完成する。メッシュ、レザー、ゴム底の白×シルバーの軽やかなコンビネーションにもにも注目。
PIERRE HARDY TREK COMET ¥114,400
COLUMN
単独liveでBTSと念願の初対面!

仕事が趣味という三尋木さんが、〝私の生きがい″とまで言い切るBTSに出会ったのは、3年前のコロナ渦のこと。
「ふと観たMVで沼落ちしたBTS。でもライブもなく、メンバーが次々と兵役につくことになったため、お酒を片手に欠かさずYouTubeを観るのが私の推し活兼、日々のルーティーンで、彼らを思うだけで上機嫌でにんまりしていました。ところがです!兵役を終えたメンバーのJ-HOPEが、ひとりワールドツアーをしてくれることに。奇跡的にも日本公演のチケットに当選、つい先日、念願のライブに行ってきました(泣)。毎日毎日思い続けた推しに、リアルで初めて会えた感動といったら!肉眼でも彼の表情が見える良席で、気絶しそうになりました(笑)。通称「アミボム」と呼ばれるペンライトを振って、この日のために練習した掛け声もがんばりました♡ステージから降ってきたお札も運よくゲット。今年の6月には兵役に就いているほかのメンバーが除隊して、7人全員がそろうBTS。来年は完全体でのライブが開催されると思うので、今はそれに参加することが夢。せわしない毎日の中で、推し活は最高の心の美容液だと再確認しました。
撮影/渡辺謙太郎(モデル) 取材・文/向井真樹