MYスタイルを作る最愛アイテムについて聞きました!
気になるあの人の
“MYスタンダード”
Vol.13 雨宮塔子
おしゃれにスタイルがあり、自分に似合うものを知っているファッションのプロたちに、“マイスタンダード”について取材する連載。今月は今年を締めくくるスペシャルゲストとして、雨宮塔子さんにお話を伺いました。
あめみやとうこ●TBSのアナウンサーとして、情報やスポーツ、ラジオ番組などで幅広く活躍後、フランス・パリに渡り、フランス語と西洋美術史を学ぶ。2016年から3年間「NEWS23」(TBS)のキャスターを務める。その後、拠点をパリに戻しTVや執筆活動の他、現地の情報をメディアに発信するなど活躍を続けている。随所にこだわりが光るパリの自宅の今を綴った近著「MY HOME,MY LIFE.」(光文社)が評判。
Vol.13
雨宮塔子さん (フリーアナウンサー/エッセイスト)
「好きなものは昔も今も、そしてこの先もきっと変わらない。パリで暮らすようになって、その想いがはっきりしました」と雨宮さん。局アナ時代は、きれい色のジャケットとスカートのセットアップスーツといった決して好みとは言い難い、番組の意向を反映した服を着用していたその反動で、プライベートではガラッとイメージの異なるパンツが主役のマニッシュな着こなしを楽しんでいたという。
「小さな頃からいつも男の子っぽい格好をしていて、スカートはときどき履く程度。ピンクや柄物が苦手で、ランドセルの色が男の子は黒、女の子は赤という当時の風潮に違和感を抱いていました。6年間勤務したテレビ局を辞めてパリに来て、周りの人や空気を読んで“どちらかに寄せていかなくてもいいんだ”と思えたことで、さまざまなことが少しずつ楽になっていきました。パリの人たちの髪や目の色は十人十色。そのためか自分に似合う色や着こなしを子どものころから熱心に研究し、親や友達、周りの大人から褒められる経験を積み重ねているので、おしゃれの自己肯定感はかなり高め。トレンド云々ではなく、あくまでもさりげなさを装ったあの独特の着くずし方には今でもハッとさせられるし、とても参考になります。私自身、好きなものが変わらないからこそこれからのスタンダードとの付き合い方には、古臭く見せない工夫を大事にしなくては。そしてパリの人が得意とする抜け感やニュアンスも忘れずにいたいですね」
TOKO’s
STANDARD
01
デニム
頼れるのはストレートか程よいワイド
「さまざまなシルエットのデニムを履いてきましたが、やっぱりストレートとワイドに落ち着きます。ワイドといっても太すぎるのは似合わないんです。今、一番のお気に入りは、ゆとりのある腰まわりから裾にかけてストンと落ちるストレートシルエット。2年くらい履き続けているので、またしばらくしたら気分が変わるかもしれませんね(笑)」
雨宮さんが得意な+ジャケットスタイルも決まる、ハリのあるリジッドデニム。すっきりとしたハイウエストでややワイドなストレートシルエットは、大人っぽいきれいめな着こなしにも女性らしい着こなしにもフィット。ベーシックな1本だから、飽きずに愛用できるのも魅力。
BLAMINK デニム5Pパンツネイビー ¥66,000
TOKO’s
STANDARD
02
ジャケット
マニッシュでいてフェミニンなオンリーワン
「スタンダードの中のスタンダードといえばジャケット。ここ数年は少しオーバーサイズが気分です。アイテム自体はマニッシュなものなのに、フェミニンも演出しやすいところが気に入っています。ちょっとしたパーティにも、ドレスよりジャケットが着たくて。そのときはワンピースにはおって袖をまくるなど、肌の見せ方を工夫した着くずしがしたいですね。手持ちにはテーラードが多いけれど、今後はノーカラーもカッコよく着こなしたい」
カシミヤだけで作られた贅沢なジャケット。テーラードですが前ボタンがなく、少し大きめのシルエットはコートのようにも着こなせるところが新鮮。ソフトで滑らかな肌触りと、品のあるリラックス感にブランドらしさが光る。ブラックとチャコールの2色は、どちらも永く愛用できる。
SINME オーバーサイズジャケット ¥132,000
TOKO’s
STANDARD
03
ボウタイブラウス
ジャケットにもデニムにも!
「合わせ方が楽しめるすごく便利なアイテム。とろみがあったり、近頃はちょっと透け感があるものも好き。上にあげたジャケットともデニムとも相性が良く、簡単にミックス感が出せるところも魅力的。とにかく信頼しています。色は無地がほとんどですが、身頃がストライプでボウタイ部分が白もお気に入り。着るときのこだわりは、ボウタイをリボン結びしないこと。甘さは必要ないんです」
ギャザーたっぷりの華やかな袖と、比翼仕立てのシンプルなフロントデザインに、取り外しができるボウタイをプラス。仕事からプライベートまでのどんなシーンでも着映えを約束。季節を越えて着用でき、自宅で簡単に洗えるところもうれしい。Iラインスカートやテーパードパンツにぜひ。
M7days 【東原妙子さんコラボ】しなやかボウタイ付きブラウス ¥19,800
TOKO’s
STANDARD
04
パンツ
好みはペンシル型。素敵に履くためのお直しは必須
「筋がね入りのパンツ派だからか、好みのラインがあるんです。それはゆったりしたラインながら裾に向かってやや細くなるシルエットで、ベストな裾幅は22cm(笑)。たまに18㎝や24㎝だったりしますが(笑)。大抵、私にはサイズが大きいためお直しは厭いません。ウエストだけでは全体のバランスが崩れるので、全体をミリ単位でこだわって直してもらいます。大好きなジャケットスタイルにも、そんなパンツが欠かせません」
センタープレス入りの細身ストレートは、適度なハリがありながら柔らかく、シワになりにくい素材を使用。ポケットにフラップをつけることでデザイン性がアップし、腰回りの気になる部分をカバーする効果も。後ウエストにゴムを入れることで窮屈感を抑え、きれいめな印象をキープ。
suadeo フラップ付きストレートパンツ ¥17,600
TOKO’s
STANDARD
05
ピアス
揺れるデザインが好き
「ボウタイブラウスが好きで髪が長いからか、顔周りのアクセサリーはピアスだけ。耳にフィットするオーセンティックなものも好きですが、近頃は揺れるデザインが気に入っています。素材はシルバーでもゴールドでも。ときにはパールのアクセサリーとの重ね付けで異素材ミックスを楽しんでいます。耳もとで揺れるピアスがひとつあるだけで、女性らしさを再認識するきっかけに。
片耳だけでも、両耳で違うデザインになど、自分らしいアレンジが楽しめる。オーバル型のリングを連ねた約7㎝の存在感は格別。つけるだけでしゃれ感が演出でき、顔映えも約束。軽量仕様で長時間つけても疲れないのもうれしい。
MARIA BLACK オーバルリンクピアス(片耳用) ¥28,600
TOKO’s
STANDARD
06
バングル
細いものは重ねて、太いものはひとつだけ
「バングルは好きでよくつけています。細めのデザインなら何本か重ね付けしますし、存在感のあるものはガツンとひとつだけ。重ね付けが上手な人を見かけると、つい目で追ってしまうこともあるんですよ」
砂漠の砂に風が描く有機的なラインをモチーフにしたシンプルモダンなバングル。重さもなくつけ心地がよいので、スキンジュエリーとして愛用する人も。ジャケットやニットなどの冬スタイルの手もとにもバングルがあると着こなしが一気に格上げされます。重ね付けにもおすすめ。
Hirotaka バングル ¥39,600
TOKO’s
STANDARD
07
今どきのシューズ
装いを自分らしさに導く大切なキーアイテム
「例えば、デニムを履いたときの足もとをスニーカーにするのかパンプスにするのかでおしゃれの印象は大きく変わります。だから靴には時代の空気感を求めます。大人に似合うスニーカーも必要ですし、食事やレセプションがある日はパンプス、細身のパンツを履く日はエンジニアブーツというように。幾種類もの靴の中でも今のお気に入りは、ニューバランスのスニーカー。石畳のパリを歩くのに欠かせません」
30年以上、愛され続けるオリジナルシルエットを再現し、種類豊富に展開する人気モデル。パンツにもスカートにも合わせやすいすっきりとしたたたずまいと、クッション性とフィット感に優れた履き心地のよさが人気の秘密。スエード×メッシュコンビのグレーとネイビーは持っていて間違いなし。
New Balance CM996 ¥16,280
シャープなトゥに華奢なヒールと美しいフォルムが印象的な足もとを作る、メイド・イン・イタリーのパンプス。柔らかな羊皮を使った5㎝ヒールは、履き心地のよさもお墨付き。余計な装飾のないシンプルなデザインはオフィススタイルだけでなく、デイリーにも合わせて女性らしさを演出できる。
FABIO RUSCONI ベーシックパンプス ¥35,200
2本並んだベルトと筒回りのすっきりしたシルエットがマニッシュになりすぎない、スペイン発のミドル丈エンジニアブーツ。国際特許を取得した技術で作られたソールは見た目に反して軽量で、クッション性も高く長時間履いても疲れにくいのが特徴。筒の内側のファスナーで脱ぎ履きが簡単にできる工夫も。
CallagHan エンジニアブーツ ¥33,000
TOKO’s
STANDARD
08
ルームキャンドル
温かみのある灯りと香りを楽しみます
「フランスでは部屋の照明がやや暗めなので、キャンドルを灯して明かりを補います。そのときは香りも一緒に楽しんでいます。甘い香りが苦手ですが冬という季節柄、爽やかすぎるのもちょっと。今のお気に入りは、フィグ(いちぢく)の香りをベースにした少し重めでウッディな香り。ゆらゆらと揺れる炎を見ているだけで気持ちも落ち着きます」
ウッド芯とゆっくりと燃える炎によって、暖炉で薪が跳ねるような音を感じられるフレグランスウッドキャンドル。優しくはかない花と深い森の香りにフィグリーフやアンバーなどをブレンドした「DAN」をはじめ、心静かに過ごしたいときに寄り添う3種類の香りがそろう。
ADORE Fragrance wood candle ¥10,450
COLUMN
約1年をかけたパリのご自宅のリフォームが完成した雨宮さん。その過程をまとめた著書「MYHOME,MYLIFE.」(光文社)が話題を集めている。
「家づくりがこんなにも楽しいことだとは思ってもみませんでした。せっかくの機会ですから妥協はしたくありません。業者さんにお任せすることもできますが、理想形に近づけたいという想いから、イメージボードを作って建築士の方にお見せしたり、さまざまなパーツを買い集めたりと、できる限り自分で動きました。壁や床、ドアなど部屋のベースとなるところはシンプルに。そして今回、とことんこだわったのがバスルーム。運命的な出会いをした猫足のバスタブをメインに、タイルから収納ボックスの細部にいたるまでこだわり抜きました。出来上がってみると北欧やイギリス、ミッドセンチュリーとさまざまなテイストが混在していますが、それは私の「好き」を詰め込んでいるから。今はアンティークの白い陶磁器を少しずつ集めていますが、家づくりに終わりはありませんね(笑)」
画像/篠あゆみ(書籍MY HOME,MY LIFEより)、コラム内の静物撮影/雨宮塔子 取材・文/向井真樹
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