投票の意味を知る、選挙の歌【UMMMI.の社会とアタシをつなぐ音】

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UMMMI./うみ
うみ●1993年東京都生まれの映像作家。これまでに、愛、ジェンダー、個人史と社会をテーマに作品を発表。ルイ・ヴィトンやナイキなどとの仕事の傍ら、音楽好きな一面を生かしミュージックビデオの制作も行う

vol.18 投票の意味を知る、選挙の歌

「選挙に行こう」
田我流

毎回選挙の時期になると自分に何ができるかな、と頭を抱えてしまう。SNSで情報をシェアしたり、周りの人々と対話すること、あとは何だろう。本当は歌でも歌えたらいろんな人に伝わるかもしれないなと、少しでもマシな社会にしたいがゆえ、普段は思わないようなことまで考えてしまう。田我流の「選挙に行こう」は、そんなアタシの気持ちを代弁してくれる曲だ。「例えば違う党が勝ったとして、君の一票、無駄じゃありません。党より議席で考える、そのほうがいまの時代に合ってる」。わかりやすく選挙に行く大切さや投票の意味を歌うこの曲と出合えた人たちは最高だろうな。この曲はアーティストのSo undCloudで、フリーダウンロードができるから、未来のためにいろんな人にシェアしてほしい。政治の歌をこんなに直接的に歌う日本人ラッパーは珍しいから、田我流に救われる。結局、この曲のとおり、いまの社会を直接的に変えることのできる一番手っ取り早い方法は、自分の信頼できる党に一票入れることなのだ。おかしいと思っていること、不安だと思っていることは、政治が変えてくれる。円安や景気の悪さだってそうだ。だいたいのことは、個人が悪いのではなくて、社会が悪いのだと思う。でも、ひたすら社会のせいにしてもしょうがないので、投票に行って意思を表明しなくちゃいけない。100%信頼できる党がなかったとしても、それは恋人や友人と意見が完全に一致することがないのと同じ。自分と政党の意見が完全に一致することはめったにないと思うしかない。だから、与えられた選択肢の中からせめてマシなものを選んで投票するのが重要だと思う。なぜなら、選択しなければ、自分の反対意見に合意しているということになってしまうから。この記事が出る頃には参議院選挙が終わっているけど、とにかくこの日本社会が少しでもマシになって、道端で行く先がなくて泣いている人がいない世の中になりますように。

MONTHLY SELECTION

『Tresor』
Gwenno

¥2,640/Big Nothing
英国の少数言語で歌い、その保護を訴える活動も行うグウェノー。最新作では、幼い頃から親しんできた、イングランド南部で使われるコーンウォール語で、出産を経て自分を取り戻す過程を描いた。マジカルな言葉の響きと、ドリーミーなサウンドスケープが溶け合い、彼女の心の揺らぎを伝えている。
『Superache』
Conan Gray

¥2,750/Universal
Z世代のアイコンの一人へと成長しつつある日系アメリカ人シンガーが、待望の2作目を完成。片想いしかしたことがないという彼は、理想化された恋愛と現実のギャップに思いを巡らせ、やさしくもほろ苦いポップソングの数々で聴き手の胸を締めつける。ハートブレイクのプリンスとして面目躍如の1枚。

SOURCE:SPUR 2022年9月号「UMMMI.の社会とアタシをつなぐ音」
text: UMMMI. Hiroko Shintani(MONTHLY SELECTION) photography: Mayumi Hosokura (portrait) edit: Ayana Takeuchi

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September 28 Wed