骨盤底筋を鍛える意外なポイントは、胸椎のねじれ取り。上半身を柔らかく!

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骨盤底筋が弱い人の特徴は「胸椎がねじれている」または「硬い」。ここが硬い人は、胸式呼吸をうまく行うことができません。すると、呼吸をしながら腟を引き上げたり緩めたりするコントロールも行えないので、骨盤底筋も弱くなります。体のこりの原因にもなるので、理学療法士の田舎中真由美さんに日常動作とストレッチでの解消法を伺いました。


「同じ姿勢&長時間」座りっぱなしの人は要注意!

 

骨盤底筋 胸椎のねじれ取り

「写真のように、椅子やソファなどの背もたれに、つねに寄りかかって座っている人、またその姿勢のまま長時間いる人は、胸椎がどんどん硬くなってしまいます」と見本を見せてくれたのは、骨盤底筋改善のプロ、理学療法士の田舎中真由美さん。

胸椎が硬い人は、骨盤が後傾している可能性も

「座るときには“仙骨を立てる”よう、意識する習慣をつけましょう。日常的に骨盤が“起きて”いると、胸椎を柔らかく保つことができます。すると突発的なくしゃみなどでも、腹圧が直接、膀胱や腟にかかることを防ぐことができ、尿もれ改善にもつながります」

つまり、「尿もれを防ぐには上半身の柔らかさも肝!」ということ。「胸椎が柔らかくなると、インナーマッスルのひとつである骨盤底筋が動きやすくなり、背もたれや壁にもたれなくてもいられるようになりますよ」

 胸椎のねじれを取り、柔らかくする日常動作とストレッチ

では、さっそく見ていきましょう!

日常動作をcheck!

【立つとき】

骨盤底筋 胸椎のねじれ取り 立ち方

■OKの立ち方

胸から恥骨までのラインが真っすぐ。

みぞおちがつぶれていない。

骨盤底筋 胸椎のねじれ取り 立ち方

■NGの立ち方

胸から恥骨までのラインが曲がっている。

みぞおちが縮こまっている。

胸骨が硬い人はほぼ姿勢が悪く、「みぞおちと恥骨の距離が近くなっている」そう。

「尿もれがある人は特に、OK写真のようにみぞおちと恥骨の距離を遠く、真っすぐにするような姿勢を意識しましょう。背中や腰が丸まっていると、腹圧がかかって尿もれが起こりやすくなってしまいます」

立つとき、座るときも、「みぞおちと恥骨は一直線上に!」

【お手洗いで座るとき】(排尿・排便時)

骨盤底筋 胸椎のねじれ取り 座り方

排尿・排便時は、前傾姿勢をとるようにしましょう。「いきむ際、上半身を立てた姿勢の人が時々いるのですが、それでは骨盤底筋に負荷がかかります。特に排便時は上体を前に倒すことで坐骨と坐骨の間が広がり、直腸の角度も緩むので便を出しやすくなります」

 

胸椎のねじりを取るストレッチ

「丸まった姿勢から胸を開いて、上半身のねじりを取るストレッチを行いましょう。横向きになったとき、呼吸してお腹を動かしてみたり、肋骨を触って空気が入っているかどうかもチェックしたりしてみましょう」(田舎中さん)

【胸ねじりストレッチ】

骨盤底筋 胸椎のねじれ取り

1.あお向けに寝てから横向きになり、手のひら同士を重ね、膝を曲げておきます。

骨盤底筋 胸椎のねじれ取り

2.下半身は動かさないようにしたまま、胸を開いて両腕を大きく床に伸ばします。この状態で「吸って吐く」を3回繰り返します。

「このとき、肋骨をしっかり広げるよう意識しましょう」

【腹斜筋ストレッチ】

骨盤底筋 胸椎のねじれ取り

両膝を片側に倒し、手のひらを上に向けて「バンザイ」のポーズをとります。両手は少し開いたくらいをキープ。そのまま、「吸って吐いて」の呼吸を3回繰り返します。反対側に膝を倒して、同様に行います。

「どちらが倒しづらい側か、硬いかなどを自分でも確認しておきましょう」

日常動作もストレッチも、どこを意識するかで効果も違ってきます。効果を実感するまで、ぜひ続けてみてくださいね。

【教えていただいた方】

田舎中真由美
田舎中真由美さん
理学療法士
公式サイトを見る

臨床経験20年以上、1万5000人以上を診てきた理学療法士。専門は腰や骨盤まわりの痛み、産後の骨盤まわりの緩みや痛み、尿もれの改善

田舎中さんが所属するフィジオセンターは、腰痛や関節症、病後の不調などトラブルに対応する、理学療法士によるリハビリ&コンディショニングスペースです。

撮影/編集部 ヘア&メイク/田代ゆかり(HAPP’S)   取材・文/井尾淳子

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