注目の俳優・寛一郎さんが思う、理想の彼氏像は?【連載「今月の彼氏」ウェブ限定版】

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今月の氏。 寛一郎

毎月、人気の俳優さんとのデート気分が味わえる人気連載「今月の彼氏」。今回のお相手は寛一郎さん。本誌で載せきれなかった未公開カットをWeb限定インタビューとともにお届けします。

2017年に俳優デビューして以来、ドラマ『グランメゾン東京』、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、Amazon Prime Videoオリジナルドラマ『湘南純愛組!』、映画『月の満ち欠け』など、話題作への出演が相次ぐ注目の俳優。Web限定インタビューでは、SNSでの発信をされておらず、なかなか素顔が見えない寛一郎さんの気になる恋愛観にフォーカス。さらに、映像作品でキャリアを積んできた彼が、この春初めて挑戦する、舞台『カスパー』への思いにも迫りました。

―― 普段はあまりアクティブなタイプではないそうですが、本誌では、理想のデートとして「湖へのドライブデート」を挙げていただきました。

海とか山にはそんなに興味がないんですけど、最近唯一好きだなと思ったのが湖で。長野県の野尻湖に、サウナに入った後、湖にそのまま入れるっていうサウナ施設があるんです。そこへ行った時に、鳥の鳴き声以外、本当に何も聞こえないくらい静かで。自然が目の前に広がっている感じに感動しました。

あまりガチャガチャした場所が好きじゃないので、せっかく好きな人と一緒に過ごせるなら、野尻湖みたいな静かな湖でゆっくり過ごしたいですね。

―― 恋愛をした時、愛情表現はしっかり言葉でするタイプですか?

僕は伝えるタイプですね。ただ、会話をキャッチボールで例えるなら、受け手である相手のミットがどこにあるかによって、その言葉ってまったく意味をなさなくなるとも思っていて。たとえば、破局寸前のカップルの場合、別れたいと話を切り出した側はミットを相手に対して構えていないんですよね。言葉を受け入れる体制を作っていないから、いくら相手から別れたくないと言葉を投げられても、その言葉はあまり響かない。

だからこそ、タイミングを含め、言葉をちゃんと伝えられるようにしたいとは常日頃思っています。気を付けていても、相手のミットを見ずに話しちゃうことは多いですが……。

―― ミットを構えていない人には、どう言葉を届けるべき?

関係性の深まり具合やタイミングにもよりますよね。それは恋人関係だけでなく、友人同士や仕事でもそう。自分の言葉をしっかりと受け止めてもらえるように、雰囲気の持って行き方とかは意識するかもしれません。

―― 寛一郎さんが思う、理想の彼氏像は?

やっぱ男ってカッコつけちゃうんですよ。「この人ダメだな」って思われながらも、虚勢を張ってしまう。でも一方で、甘えたいという願望もあって。僕はあまり隠し事が好きじゃないから、そういう嘘偽りない自分を見せるのが、一番なんじゃないかなと思います。

たとえば雑誌に載っているセクシーな女性のグラビアを見ていたとしても、それはきれいなお花を見て素敵だなと思うくらいのレベルの話(笑)。コソコソ見るのも嫌じゃないですか。嘘をつきたくないし、そこに何もやましい思いはないので、あまり怒らないでほしいなとは思います(笑)。

―― 愛情表現を言葉にしてしっかり伝えるタイプとのことですが、今回初めて挑戦する舞台『カスパー』も、言葉が大きなテーマになっています。舞台にはあまり興味がなかったとのことですが、“言葉の拷問劇”とも言われる本作に出演を決めた理由は?

舞台の題材になっている、カスパー・ハウザーという人物自体にもともと興味があったんです。都市伝説系の動画をきっかけに知ったんですけど。

―― 寛一郎さんが演じるカスパーのモデルとなっているのは、19世紀初めに実在したドイツ人の孤児。16歳で保護された当初、言葉をまったく理解しておらず、言葉に意味があることさえ知らなかったとされています。

史実では、出自に謎を残したまま暗殺されてしまう人物なのですが、今回の舞台はちょっと違った視点でカスパーを描いていて。もともと、言語に関しても興味がありましたし、このテーマを表現できるプラットフォームは、映画でもドラマでもなく、舞台だと思いました。チャレンジという意味で出演を決めましたね。

―― ──同じセンテンスを繰り返す序盤から、言葉の洪水に溺れるような後半まで、正直、演じるにはものすごくハードルが高そうだなという印象です。

台本を読んで、「大変な作品に出演することになったな」と後悔しています(笑)。カスパーは言葉を知らずに育ったので、接続詞など普段僕らが当たり前にしている文章の組み立てができないんです。戯曲に書かれている台詞は文法が正しくないものも多いので、その分聞き取りにくさもあると思います。でも、だからといって見ている人がまったく理解できなかったら意味がないので、言いたいことはわかるけど違和感がある、というレベルに仕上げなければいけない。そこはしゃべり手のテクニックにゆだねられている所だと思うので、頑張るしかないですね。

―― 具体的にしている準備は?

この前、発声のレッスンに一度行ってきたんです。滑舌があまりよくないということを自覚して、やばいなと思っているところ(笑)。レッスンも頑張ろうと思っています。

―― 表に立つ側のお仕事をする寛一郎さんは、普段、言葉に対してどのような思いを持っていますか?

“ロバと老夫婦”1*の話があるように、同じ言葉でも人によって捉え方はいくらでもあるじゃないですか。文面上で見る言葉と、話す言葉でもまた捉え方が違いますし。できるだけ誤謬(ごびゅう)2*がないよう、思っていることを的確に言語化したいなとは思っています。

1*ロバを売りに出すため、ロバ1頭と街に向かった老夫婦が行きかう人々に「老婆がロバに乗るべき」のような提案をされる。そして、その通りにすると「なぜ2人でロバに乗らないのか」と今度は別の提案をされ……という流れを繰り返し続け、結局ロバを死に追いやってしまう物語。人々全員を納得させるのは難しい、ということを表した寓話。

2*間違い・誤り(集英社国語辞典 第3版より)

―― 寛一郎さんは、普段、舞台を見に行くことは?

たまに行きますよ。あと、昔は母に連れられてよく行きましたね。母親がもともと舞台に出ていた人なので、俳優を始める前、蜷川幸雄さんや三谷幸喜さんの舞台に連れて行ってもらっていました。

―― 今回、初めての舞台に出演されるにあたって、お母さまに相談などはされたんですか?

いや、まったくしていないです。僕が舞台に立つこと自体はうれしいんじゃないかなと思いますが、その話を聞くのもちょっと照れくさいので特に話題には出していません(笑)。

―― 映画やドラマで活躍されてきた寛一郎さんが思う、舞台を観劇する面白さは?

やっぱり生で“人”が演じている姿を見ることができるライブ感ですよね。他に何もできない状態で物語だけに集中する空間って、あまりないじゃないですか。そういった意味でも貴重だと思います。

ただ、僕自身、映画館に行くことですらちょっと面倒くさいと思う瞬間もあるんです。家を出ずとも触れられたり、タダで見られるコンテンツがありふれているなかで、実際に足を運んでもらった上で、それだけの価値があるものを提供できるか。出演する側としては、難しい課題ですね。

―― とはいえ、舞台はその場、その瞬間でしか味わえない醍醐味が。

そうですね。僕の最初で最後の舞台になると思うので、ぜひ見にきていただけたらうれしいです。

―― そうなんですか⁉

はい。僕の芝居を生で見られるのはこれが最後です(笑)。

―― とはいえ、終わってみたら「また挑戦したい」と思う可能性も?

ゼロではないと思います(笑)。とはいえ、今の段階では最初で最後という気持ちでやらせていただきます。25歳以下の方は6000円(税込み価格)で見られるので、ノンノ読者の方もぜひ見にきてください! きっと人生が変わると思います。

寛一郎さんのプロフィール

1996年8月16日生まれ、東京都出身。2017年に俳優デビュー。主な出演作は映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』など。3月19日から、東京芸術劇場シアターイーストで上演される舞台『カスパー』に出演。初舞台にして初主演、19世紀初めに実在し、生まれてから16年間言葉を知らずに生きてきたドイツ人孤児のカスパー・ハウザーを題材に描いた舞台に挑む。

寛一郎さんからお知らせ

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舞台『カスパー』

社会と隔絶されたまま成長した孤児カスパー・ハウザーを題材としたノーベル文学賞作家ペーター・ハントケの「20世紀に書かれた最も重要な作品」を上演。演出は、渡辺謙主演の舞台『ピサロ』や堤真一・橋本良亮主演『よい子はみんなご褒美がもらえる』で日本でも人気の英国人演出家、ウィル・タケットが務める。2023年3月19日(日)〜 3月31日(金)、東京芸術劇場シアターイーストで上演(24日のみ休演)。

撮影/花村克彦 ヘア&メイク/中村了太(3rd) スタイリスト/坂上真一(白山事務所) 取材・文/松山梢 web構成/轟木愛美 web編成/吉川樹生
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