
松本千登世(Chitose Matsumoto)
ロワンのペイズリー×モザイク柄スカーフを購入。ふわりとはおるのはもちろんニットの首もとにくしゅっと巻いたり、ネクタイのように結んで背中側にたらしたりと万能。
「ほんの少しの『見せ場』を作る知恵が、存在ごと輝かせる」

「私、座っていると、どうやら『華奢な人』に見えるらしいの。会議でも食事でも、立ち上がった途端、『あれっ?』とか『意外だね』とか。勝手に勘違いしておきながら、失礼しちゃうわよね。それにね、オンラインで人に接することが増えたでしょう? バストショットしか映らないから、実際よりバランスよく見えているみたいで、私、さらに得してるみたいなのよね(笑)」。久しぶりに食事をした友人が、突然、そういいはじめました。仕事で知り合い、仕事もプライベートもと、たくさんの時間を共有して、気づけば25年以上の付き合い。今さら、何をいいだすの!?と大笑いしながら、頭の片隅で、確かに、と深く納得させられていました。コンパクトな顔、華奢な首、凛とした姿勢、まっすぐな視線。これらの特徴が真っ先に目に飛び込んでくるからか、彼女をよく知っている私でさえ、ずっと「華奢な人」という印象を抱いていた気がして。そう伝えると……?「誰にも気づかれていないと思うけど、実は、自分なりに心がけていることがあるの。それは、深いVネックか直線的なボートネックを選んで、鎖骨をきれいに見せること。すると、より姿勢がよく、首が細く、顔が小さく見える。私にとっては、首もとが唯一の『見せ場』。自分が一番よくわかっているから」。
見せ場。目から鱗(うろこ)が落ちた思いでした。もって生まれた造形美はもちろん、それを生かす知恵と工夫で彼女の印象ができあがっていたのだと確信しました。彼女がそうであるように、自分で意識して見せ場をつくれば、それがその人全体の印象になりかわることがある。衰えるもの、失うものばかりに心をとらわれるのでなく、見せ場をつくる、と発想を変えたら、自分への見方が優しくなる気がしました。きっとみんな、無意識のうちに意識しているはず。年齢のぶんだけ、自分がよりよく見えるための知恵や工夫を、積み重ねているはず。その延長線上にそれぞれの見せ場があるはずなのです。
この春、きゅっと引き締まったフェイスラインをつくるエイジングケアが目白押し。例えば、手首や足首を見せることで、全身のバランスがすっきり見えるように、むだのないフェイスラインをつくることで、顔も体もすっきり見える。まずは、見せ場づくりから始める美容を。存在ごと輝かせる糸口は、ここにあります。
髪も服も新しくしたくなる、フェイスラインを手づくりする

長く続くマスク生活で「顔の『下半身』に自信がない」という声も。一気に動きはじめそうなこの春、真っ先にフェイスラインからケアを始めたい。注目したいのは、新しい理論やユニークなテクスチャーで、「きゅっ」「ぴんっ」と引き締まった美しさをかなえる3品。毎朝毎晩、シャープなラインを手づくりするように、ていねいになじませるのがコツ。このフェイスラインなら、ヘアスタイルもファッションもと、胸躍るはず。
ITEM LIST
〈右から〉密着性の高い保湿成分と、網目状のポリマーを配合した独自のフォーミュラで、まるでコルセットでホールドされているかのような感覚。センサイ LTフォーカスエッセンス 40㎖¥19,800/カネボウ化粧品 2種のポリマーの組み合わせと2種のガスでつくられたなめらかな泡乳液が肌上でほぐれて引き締めベールに変わり、ピンとしたハリ肌へ。印象の変化は感動もの。B.A ミルク フォーム 84g( 4/1発売)¥13,200/ポーラ 独自のマイクロカプセル化技術と蘭の濃縮パワーで、肌再生×ハリ×リフトアップをねらう3Dリフティング美容液。ぱんっとしたボリュームとすっきりとしたシェイプへ。オーキデ アンペリアル ザ リフト セロム30㎖ ¥71,500・50㎖ ¥91,300/ゲラン