<アラフィーにおすすめの本4選>戦争は日常の延長線上にある。高橋源一郎著『ぼくらの戦争なんだぜ』

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戦争の当事者になりたくないなら必読!

『ぼくらの戦争なんだぜ』

高橋源一郎
朝日新書 ¥1,320
ウクライナの惨状に同情はしても、戦争なんて遠い国、遠い昔のことにしか思えない人がほとんどだろう。でも本書を読めば、のほほんとしていられなくなる。第一章では、昭和初期や戦時下の教科書、現在の日本とドイツや中国などの歴史教科書を比較しながら紹介。次に、高村光太郎ら著名な文化人による戦争礼讃作品を取り上げ、人がいかに時代の空気に染まりやすいかを明らかに。戦争が私たちの日常の延長線上にあることを軽快な文章で突きつけてくる、今読むべき一冊。

気づいたら詐欺にかかわっていた隣人たちの物語

『嘘つきジェンガ』

辻村深月
文藝春秋 ¥1,815
孤独感や劣等感、虚栄心や生活苦、憧れや子供への愛情から詐欺の加害者や被害者になってしまう大学生、主婦、シングル女性。3つの中編どれも、読者に他人事とは思わせないリアリティと切実さで迫ってくる。嘘の積み重ねで日常が壊れたあとの主人公たちの選択が、すがすがしい。

人気スタイリストによる爽快お悩み相談

『ババア上等! 番外編 地曳いく子のお悩み相談室』

地曳いく子
集英社文庫 ¥594
おばさん体型でも似合う服は? 時間をむだにしないコツは? 将来が不安……。ファッションから仕事や人生の悩みまで、40年近いキャリアを誇るスタイリストが全力で回答。さばさば感とあったかさのバランスが絶妙なアドバイスを生かし、年を重ねてもおしゃれ&元気でいよう。

英国ミステリのNo.1は、せつなさも感動も超弩級

『われら闇より天を見る』

クリス・ウィタカー 鈴木 恵/訳
早川書房 ¥2,530
30年間刑務所にいた男の帰郷に揺らぐ小さな町。大切な人を守りたいという人々の思いが、新たな悲劇を生み出していく。幼い弟を庇護しながら過酷な運命と戦う13歳のヒロインの、覚悟と誇り高さに痺れる。英国推理作家協会賞最優秀長篇賞に輝いた本作は成長小説としても極上だ。

アラフィー女性に読んでほしいおすすめ本を、文芸評論家・斎藤美奈子さんがピックアップ。今回は、 シェアハウスに入居し、変化と無縁ではいられないことを悟った就職氷河期世代の主人公が周りと向き合っていく『若葉荘の暮らし』ほか、コラムにまつわる本をご紹介。
タレント、コメンテーターなど多彩な顔をもち、率直なトークで人気の大久保佳代子さん。今回上梓したエッセー集『まるごとバナナが、食べきれない』は、女性誌『Marisol』の8年間の連載をまとめたもの。食ベ物を切り口に妙齢女子の本音が描かれていて、共感とクスクス笑いが満載の一冊だ。
アラフィー女性におすすめの本をピックアップ。殺人を犯した者、匿(かくま)う者…と、視点を切り替えながら日本社会の問題を浮き彫りにしていくミステリー小説『夜の道標(どうひょう)』ほか、人生をテーマにしたエッセー集『そして誰もゆとらなくなった』など、今読みたい一冊をご紹介。
「本との出会いをつくりたい」「読書の喜びを再認識するきっかけになれば」との思いから始まり、今年で5回目を迎えた文芸エクラ大賞。感染症の流行に加えて戦争が勃発し、世界中が先行き不透明な今、考える力を養う本はますます重要。楽しい時間を自分のものにするためにも、ぜひ本の扉を開けてみてほしい。
撮影/佐藤健太 原文/細貝さやか ※エクラ2022年12月号掲載
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November 30 Wed
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